10月27日(水) 5日目10月27日(水) <大きな余震>相変わらず、大小の余震が続く中、業務をこなしていた時の事 たしか10時過ぎだったと思うが、大きな余震が来た 『あっ!大きいっ!』と思ったら電気が切れた・・・ 再び停電だ 今回は、業務中で患者さんが数名いらっしゃった すぐに外へ出て頂き『薬は後でお届けしますから・・・』と言ったが 高齢のご婦人がお二人『お昼の薬が無くなるし、ここで待つから薬をもらって帰りたい』とおっしゃるので 外にイスを出し腰掛けて頂き、毛布をかぶって寒さをしのいで頂いた 簡単な薬なら良かったのだが、お二人とも結構手間のかかるお薬 お一人は1包調剤といって錠剤を出して朝・昼・夜に分けてパックし さらにお薬カレンダーってのに貼り付ける方 この方は糖尿病で薬をきちんと服用して頂く必要があるのに 痴呆があり、普通の調剤では薬をきちんと服用するのが難しいのだ それらを作っていると、余震の直前に処方箋を渡されたらしき患者さんが数名 お一人は栃尾の方で、栃尾から通ってる職員が届ける事にした この日には、職員はすべて出勤してきていたが 小さな子供さんが家にいる職員2名にはすぐに帰ってもらった 学校も保育園もみなお休みなので、子供達は皆自宅に居るのだ ようやく患者さん達すべてが居なくなり 無停電源で保っていたパソコン類を落として 最後まで残った事務職員にも帰ってもらった 彼女は自宅が大きな被害を受け、ライフライン全てがまだダメ ご両親が二人で車に避難しているのだ お隣の診療所は『電気が来ないし今日はもう診療できないかも・・・』と しかしそんな中でも付近の避難所からの要望で先生は診察、するとまた発生する処方 電気のない中『また揺れたら・・・』と怖いので戸をあけはなして 一人手作業で薬を作る すると、ぽつりぽつりと患者さんが・・・ 『よかったわ~やっているのね、薬が無くなるのよ~』と 先生と連絡をとり『いつもの薬で』おだしする となりの診療所は電子カルテと言って、紙のカルテではなくてパソコンだ 電気が無いと処方内容も判らない 薬局も薬の記録はID管理になっており、すぐ探せない事もある そんな時、患者さん自身が『お薬手帳』をもって来て下さると本当に助かった 避難先でも『お薬手帳』をもっている事で 絶対必要なインスリンの種類や単位が判り助かった方がいらした この日、水曜日は、いつもだと午後から夜にかけてとても忙しい日 午後は労災(労働災害)の患者さんが予約で約2~30名 夜は糖尿病の先生がいらしてやはり予約で10~15名の患者さん 問題は糖尿病の予約をしてある患者さんで薬が切れる人たちだ 結局その方々にはいつもの薬を処方して頂き準備して待つ と、何時頃だろう、電気が復活 心配してかけつけた事務長ともう一人の薬剤師と私とで ぽつぽつやってくる患者さんに対応した 事務長が『明日また来るよ、なんか必要なもん有る?』と言うので 『野菜!火が通った野菜が食べたいっ!煮物っ!』とおねだり このとき、二人そろってすごい剣幕だったらしい・・・ この日も結局遅くなり 夜はお隣の診療所での炊き出しに顔を出しおこぼれを頂いた 豚汁とか暖かい汁物で野菜が入っているものが何よりも嬉しく美味しい・・・・・ 診療所に集まる支援物資で、職員やボランティアが連日作ってくれている 夜になるとその炊き出しや物資を求めて近所の方々が集まり、キャンプみたいだ 今日もとても疲れて体中がミシミシ言ってるみたいに感じるが この炊き出しを頂くと、少しホッとする 今日はお届けもないし帰って早く横になろう 今夜も余震で眠れないだろうけど、少しでも横になって休まなければ・・・ それにしてもお風呂に入りたい・・・ いつになったらガスが来るのだろうか・・・ -続く- |